死にたいけどトッポッキは食べたい
「死にたいけどトッポッキは食べたい 」
すごい題名ですよね。
私は本屋さんでこの本に出会った時、とてもこの題名に共感しました。
世界にはいろんな人がいますから、この本に共感できない人も沢山いるでしょう。
ですが私はこの本を読んで心が少し軽くなりました。
今回は私視点で、「死にたいけどトッポッキは食べたい」の感想を書いていきたいと思います。
死にたいけどトッポッキは食べたい
もっと気楽に、自分を愛したいあなたへ。
200冊限定のブックファンドから40万部を超えるベストセラーに。
不安定な心をありのまま描き韓国で話題となったエッセイ、待望の日本語訳。
引用元
死にたいけどトッポッキは食べたい ペク・セヒ、山口ミル/訳 | ノンフィクション、学芸 | 光文社
著者は、ペク・セヒさん。
1990年、韓国・ソウル生まれの女性で、文学創作学科を卒業した後、出版社に五年勤務。
長い間、気分変調症(軽度の鬱病)と不安障害を患い精神科を転々としている。
感想
突然ですが、私は著者とまったく同じような病気を患っています。
何か大きな問題がある訳でもないのに、なんだか憂鬱で気力がない。
私は症状がそこまで重くないので元気なときは本当に元気ですが、憂鬱な時はとことん憂鬱です。
私たちのように精神的な病気を患っていなくても、世の中には生きづらさを感じている人が沢山いると思います。
この本はそんな私たちの心を軽くしてくれる力があると思います。
まず最初に言っておくと、この本に解決策は載っていません。
そして普通に毎日元気に過ごせている人には、面白さも共感出来るところも無いと思います。
ですが私のように生きづらさを感じている人にっとては、今までぐちゃぐちゃで分からなかった心の中が全て言葉になってこの本の中にありました。
分からないことだらけだった心の中が、言葉になって書かれている。
これだけでも心がとても軽くなります。
このは本はカウンセリングを受ける著者と、精神科医の会話で話は進んでいきます。
私と著者の共通点は自己肯定感が低く、自分が嫌いなこと。
ただ単純に自分を好きになって、毎日自然体に元気に生きていきたいだけなのに、それが上手くいかない事。
私が共感した文章を少し紹介し、感想を書いていきます。
ネガティブな言葉が沢山出てくると思いますがご了承下さい。
先生 もし20歳のあなたが今のあなたを見たらどう思うでしょうね?
私 (突然、涙が噴き出す)本当に喜ぶと思います。
先生 なのに、今のあなたはまるで自分の人生と過去が失敗だったみたいに思ってる。でも、子供の頃の基準からすれば、今の自分はとても成功しているとも言えるんです。
引用元
死にたいけどトッポッキは食べたい ペク・セヒ、山口ミル/訳 | ノンフィクション、学芸 | 光文社
私も、著者とまったく同じところで涙が噴き出しました。
10年前の私に今の私を見せたら、本当に嬉しいと思います。素敵な未来だなってワクワクすると思います。子供の頃の夢も今は叶っています。
なのに今の自分は、今を生きている自分はいったい何がそんなに憂鬱なんでしょう。
今の私がどうであれ、私は長い間充分一生懸命生きてきました。それを認めてあげるだけで充分。そう思います。
心はすでに切ないのに、頭では切ないのが嫌で、獰猛な獣のように、自分に対して辛らつになる。対立する感情が一つの身体から湧き起こり、存在が歪む。そうして、顔全体を、耳まで赤くした状態で相手に向かった後、決まって鏡をみる。一人ぼっちの戦争をした直後の顔はぼろぼろだ。焦点の定まらない充血した目、乱れた前髪、何を考えて生きているのかわからないぼんやりとした表情。自分を不透明な存在だと思う。奈落の底に落ちたような気持ち、苦労して掴んだ精神のバランスが、再び崩れる。
引用元
死にたいけどトッポッキは食べたい ペク・セヒ、山口ミル/訳 | ノンフィクション、学芸 | 光文社
この文章が精神のバランスが崩れたときの私に重なりすぎて笑ってしまいました。
一人ぼっちの戦争。
心ではもう充分に切なくて悲しいのに、頭では自分が悪いからだと責めてしまう。
こんなに馬鹿馬鹿しいことはないと頭の中では思うんだけど、なかなかこの ”一人ぼっちの戦争” をやめられないんです。
私はいつも私の標的だ。相手につかみかかっても、刺されるのは結局、私の役目。だから他人を傷つけるほどに、もっと大きな傷を負う。
引用元
死にたいけどトッポッキは食べたい ペク・セヒ、山口ミル/訳 | ノンフィクション、学芸 | 光文社
誰かを傷つけてしまう以上に、自分を責めてしまうことはありません。
「おまえは今大げさにふるまっているんだ。大したことないのに騒いでいるんだ」と、そうやって自分を責めてしまうのです。それがとても悔しくて、私の状態が深刻だと証明したくなったんです。
引用元
死にたいけどトッポッキは食べたい ペク・セヒ、山口ミル/訳 | ノンフィクション、学芸 | 光文社
精神のバランスが崩れている時私も同じように「大げさにふるまってるんだ」と、自分を責めます。
それが辛くて、病名が欲しくて、病院に通い始めました。
さて。
「死にたいけどトッポッキは食べたい」
私はありがたいことに、死にたいと思ったことは一度もありません。自分を傷つけたくなることはありますが。
どんなに憂鬱な時だって、トッポッキは食べたいんです。好きな食べ物は食べたい。
どんなに憂鬱な時だって、お腹は空くんです。それでその後いつものようにご飯を食べる。
それがこの本に出会うまで本当に嫌でした。
でもそれが人間ですよね?
死にたい時でもトッポッキは食べたい。この自分の中の気持ちに素直に向き合うことが、自分を好きになるための第一歩なのかなと、この本を読んで感じました。
自分の心の声を聞いてあげる。無視しないこと。
まずはここからだと思います。
私たちのような人にとって共感できるような言葉が沢山出てきます。
ぜひ読んで見て下さい!